外部委託で受け持てる事業場の数は、件数ではなく「換算点数」の合計で決まります。合計が33点未満に収まっていることが、保安管理業務を受託する要件です。この記事では、換算係数の早見表と計算の手順を、告示の条文に沿ってまとめます。
換算点数とは
換算点数は、事業場ごとに決まる「換算係数」に、点検頻度に応じた値を掛けて求める数値です。電気事業法施行規則第52条の2と、平成15年経済産業省告示第249号(以下「告示」)で定められています。
電気管理技術者(個人)は、受託しているすべての事業場の合計が33点未満でなければなりません。電気保安法人の場合も、保安業務従事者1人ごとに同じ上限がかかります。
計算の手順
- 事業場の種類と規模から、換算係数を調べる
- 点検頻度が隔月や3か月に1回の場合は、決められた値を掛ける
- すべての事業場の値を合計する
事業場ごとに「換算係数 × 点検頻度による値」を出して、足し合わせるだけです。設備容量と点検の条件を選ぶだけで1事業場の点数が出る換算点数の計算ツールも用意しています。毎月点検の事業場は、換算係数がそのまま換算点数になります。
高圧需要設備の換算係数(早見表)
高圧で受電する需要設備は、設備容量で換算係数が決まります(告示第3条第1項)。
| 設備容量 | 換算係数 |
|---|---|
| 64kVA未満 | 0.4 |
| 64kVA以上 150kVA未満 | 0.6 |
| 150kVA以上 350kVA未満 | 0.8 |
| 350kVA以上 550kVA未満 | 1.0 |
| 550kVA以上 750kVA未満 | 1.2 |
| 750kVA以上 1,000kVA未満 | 1.4 |
| 1,000kVA以上 1,300kVA未満 | 1.6 |
| 1,300kVA以上 1,650kVA未満 | 1.8 |
| 1,650kVA以上 2,000kVA未満 | 2.0 |
| 2,000kVA以上 2,700kVA未満 | 2.2 |
| 2,700kVA以上 4,000kVA未満 | 2.4 |
| 4,000kVA以上 6,000kVA未満 | 2.6 |
| 6,000kVA以上 8,800kVA未満 | 2.8 |
| 8,800kVA以上 | 3.0 |
低圧で受電する需要設備は0.3です。
区分の境目には注意が必要です。たとえば設備容量がちょうど150kVAの事業場は「150kVA以上350kVA未満」に入るので、0.6ではなく0.8になります。
発電所と蓄電所の換算係数
発電所は出力で決まります。蓄電所も同じ区分です。
| 出力 | 換算係数 |
|---|---|
| 100kW未満 | 0.3 |
| 100kW以上 300kW未満 | 0.4 |
| 300kW以上 600kW未満 | 0.6 |
| 600kW以上 1,000kW未満 | 0.8 |
| 1,000kW以上 1,500kW未満 | 1.0 |
| 1,500kW以上 2,000kW未満 | 1.2 |
| 2,000kW以上 2,500kW未満 | 1.4 |
| 2,500kW以上 3,500kW未満 | 1.6 |
| 3,500kW以上 5,000kW未満 | 1.8 |
配電線路を管理する事業場は0.1です。
点検頻度による値
点検頻度を隔月や3か月に1回にしている需要設備は、換算係数に次の値を掛けます(告示第3条第3項)。
| 点検頻度 | 掛ける値 | 対象 |
|---|---|---|
| 毎月1回以上 | なし(換算係数のまま) | 下の2つに当てはまらない需要設備 |
| 隔月1回以上 | 0.6 | 告示第4条第7号・第8号の需要設備 |
| 3か月に1回以上 | 0.45 | 告示第4条第9号の需要設備 |
隔月や3か月に1回にできる設備の条件は、月次点検を隔月や3か月に1回にできる条件でまとめています。
太陽電池発電所と蓄電所は、点検頻度と設備の条件に応じて0.25から0.36の値を掛けます。区分が細かいので、該当する事業場を受託するときは告示第3条第3項を確認してください。
計算例
例1:300kVA、毎月点検
設備容量300kVAは「150kVA以上350kVA未満」なので、換算係数は0.8です。毎月点検なので、換算点数も0.8です。
例2:300kVA、絶縁監視装置を付けて隔月点検
換算係数0.8に、隔月の0.6を掛けます。0.8 × 0.6 = 0.48 です。
例3:80kVA、条件を満たして3か月に1回
設備容量80kVAの換算係数は0.6です。3か月に1回の0.45を掛けて、0.6 × 0.45 = 0.27 です。
例4:発電設備がある事業場
需要設備のなかに常用の発電設備がある場合は、需要設備と発電設備をそれぞれ計算して足します。設備容量150kVA(隔月点検)の事業場に、30kWのガスエンジン発電設備がある場合は次のとおりです。
- 需要設備:0.8 × 0.6 = 0.48
- 発電設備(100kW未満):0.3
- 合計:0.78
産業保安監督部が公開している申請書類の記入例でも、この数え方になっています。
特例がある設備
- 小規模高圧需要設備(設備容量64kVA未満などの条件を満たすもの)は、換算係数が0.2になります(告示第3条第2項第1号)。
- 設備容量1,000kVA未満で、もっぱら電気自動車などへの充電を目的とする高圧需要設備は、0.4になります(同第2号)。
どちらも細かい条件があります。当てはまりそうな事業場は、条文で対象かどうかを確かめてください。
合計を管理するときの注意
- 新しい事業場を受託する前に、合計が33点未満に収まるかを確認します。
- 変圧器の増設などで設備容量の区分が変わると、換算係数も変わります。
- 点検頻度を変えると、換算点数も変わります。
- 外部委託承認申請の書類には、担当している事業場と換算点数の合計を書きます。日ごろから一覧にしておくと、申請のたびに数え直さずに済みます。
電気保安DXなら自動で合計できます
iPhoneアプリの電気保安DXは、事業場の区分と設備容量を登録すると、換算点数を自動で計算します。隔月や3か月に1回の値にも対応していて、合計を上限の33点と並べて表示します。換算点数と点検スケジュールの機能は無料で使えます。
この記事は、平成15年経済産業省告示第249号の内容をもとに作成しています。告示は改正されることがあるので、申請や契約の前に、最新の条文と所管の産業保安監督部の案内を確認してください。