高圧需要設備の点検は毎月1回以上が原則ですが、設備が条件を満たせば、隔月や3か月に1回にできます。点検頻度が下がると換算点数も下がるので、受託できる件数にも関わります。どの設備が対象になるのかを、告示の条文に沿って整理します。
点検頻度の全体像
需要設備の点検頻度は、平成15年経済産業省告示第249号(以下「告示」)の第4条で決まっています。
| 点検頻度 | 対象となる需要設備 | 告示第4条 |
|---|---|---|
| 毎月1回以上 | 下の条件に当てはまらない需要設備 | 第10号 |
| 隔月1回以上 | 信頼性の高い需要設備で、設備容量100kVA以下または低圧受電のもの | 第7号 |
| 隔月1回以上 | 信頼性の高い需要設備で、絶縁監視装置または漏電遮断器があるもの | 第8号イ |
| 3か月に1回以上 | 第7号に当てはまり、屋内のキュービクル式で、蓄電池設備と非常用予備発電装置がないもの | 第9号 |
| 3か月に1回以上 | 小規模高圧需要設備 | 第6号 |
| 毎週1回以上 | 工事期間中の需要設備 | 第11号 |
「信頼性の高い需要設備」の4つの条件
隔月にする場合も、3か月に1回にする場合も、まず次の4つをすべて満たす必要があります(告示第4条第7号イからニ)。
- 柱上に設置した高圧変圧器がないこと
- 高圧負荷開閉器に可燃性絶縁油を使っていないこと(キュービクル内に設置するものを除く)
- 保安上の責任分界点か、その近くに、地絡保護継電器付きの高圧交流負荷開閉器か地絡遮断器があること
- 責任分界点から主遮断装置までの間に、決められた変成器以外の変成器がないこと
4つめで認められている変成器は、電力需給用の計器用変成器、地絡保護継電器用、受電電圧確認用、主遮断器の開閉状態表示用、主遮断器操作用の5種類です。
隔月1回にできる場合
設備容量100kVA以下、または低圧受電
4つの条件を満たしていれば、隔月1回以上にできます。絶縁監視装置は条件に入っていません。
設備容量が100kVAを超える場合
4つの条件に加えて、次のどちらかが必要です。
- 低圧電路の絶縁状態を的確に監視できる装置(絶縁監視装置)があること
- 非常用照明、消防用設備、昇降機など、非常時に使う設備への電路を除いた低圧電路に、漏電遮断器が付いていること
絶縁監視装置について確認されること
関東東北産業保安監督部の設備条件確認書では、絶縁監視装置について次のような点を確認します。様式は監督部ごとに違うので、申請先のものを使ってください。装置の方式の違いと取り付けの手順は絶縁監視装置の仕組みと、隔月点検にするときの取り付け条件にまとめています。
- 警報の設定値が50mA以下であること
- 警報が委託先(電気管理技術者など)へ自動で伝送され、記録されること
- 警報が出たときの対応手順が決まっていること
- 装置を年1回以上点検すること
3か月に1回にできる場合
第7号に当てはまる需要設備(4つの条件を満たし、設備容量100kVA以下または低圧受電)のうち、次の2つをどちらも満たすものが対象です(告示第4条第9号)。
- 受電設備がキュービクル式で、屋内に設置されていること
- 蓄電池設備も、非常用予備発電装置もないこと
屋外に置いたキュービクルや、非常用発電機がある事業場は対象になりません。
遠隔で点検する場合
絶縁監視装置があり、設置場所とは別の場所から的確に点検できる措置をとった需要設備は、毎月1回以上の点検を遠隔で行えます(告示第4条第8号ロ)。この場合も、現地での点検が3か月に1回以上必要です。遠隔で点検することは、保安規程に定めておきます。
換算点数はどう変わるか
点検頻度を下げると、換算係数に掛ける値が変わります。隔月は0.6、3か月に1回は0.45です。設備容量300kVAの事業場なら、毎月点検で0.8、隔月点検で0.48になります。
計算の方法は、換算点数の計算方法と早見表でまとめています。事業場ごとの点数は換算点数の計算ツールでその場で出せます。
点検頻度を変えるときに確認すること
- 設備が条件を満たしているかを、設備条件確認書の項目に沿って確かめます。
- 点検頻度は、保安規程と委託契約書に定めます。変更に必要な届出と様式は、所管の産業保安監督部の案内で確認してください。
- 設置者には、頻度が変わることと、警報が出たときの連絡と対応の流れを説明しておきます。
注意したいこと
- 新設の設備で、受電後の漏れ電流が警報の設定値以上になった場合は、毎月1回の点検に切り替える扱いになっています。
- 非常用発電機の増設やキュービクルの移設などで条件を外れたら、点検頻度を見直します。
- 頻度を下げても、異常の連絡を受けたときの臨時点検は必要です。
隔月や3か月の事業場も、予定を自動で組めます
iPhoneアプリの電気保安DXは、事業場ごとに点検頻度を登録すると、今月回る事業場だけを一覧にします。隔月や3か月に1回の事業場が混ざっていても、予定を手で数える必要がありません。換算点数にも頻度の値が反映されます。点検スケジュールと換算点数の機能は無料で使えます。
この記事は、平成15年経済産業省告示第249号の内容をもとに作成しています。告示は改正されることがあるので、申請や契約の前に、最新の条文と所管の産業保安監督部の案内を確認してください。